家のガレージに、私が購入した車をおいていたところ、泥棒に盗まれてしまいました。私が盗まれたことに気づく前に、警察から電話連絡があり、車を盗んだ窃盗犯が、40キロメートルほど走ったところで、他の自動車と衝突し、相手の運転手が重傷を負ったとのことでした。私は、交通事故の損害について賠償する責任があるのでしょうか?

交通事故を起こした当事者である窃盗犯人が、損害賠償責任を負うことは間違いありません。

しかし、窃盗犯人に賠償能力がない場合などは、車の所有者に対して運行供与者の賠償責任を請求されることがあります(自動車損害賠償保障法3条)。

「運行供与者」とは、一般的には、その自動車について、運行支配をし、かつ、その自動車の運行により利益を得ている者を言い、運行供与者は、利益の裏返しとして、法律上、損害賠償責任も負うこととなります。

あなたは、自動車の所有者で、自動車を自ら使用する権限があり、このような人を自動車損害賠償保障法上「保有者」と呼びますが、保有者は、通常、運行供与者に該当します。

なぜなら、保有者は、運行支配をし、運行利益が帰属している者と考えられているからです。

しかし、本件のように、窃盗犯が無断で運転した場合には、原則として、保有者は「運行供与者」には該当せず、損害賠償責任を負わないと考えられます。

なぜなら、窃盗犯は、保有者に断りなく勝手に自動車の運転をしており、運行支配や運行利益は、保有者でなく窃盗犯に帰属していると考えられるからです。

しかし、窃盗犯に運転されて事故が生じたケースであっても、例外的に、保有者に賠償責任が認められる場合があります。

これは、保有者に自動車管理上の過失が認められる場合です。

具体的には、家の前の道路にエンジンキーをつけたまま車を置いていたところ盗まれたというようなケースが挙げられます。

このような場合は、保有者が無断運転を容認していると解され、自動車に対する保有者の間接的な運行支配が残っていると解される余地があるからです。

本件では、自分のガレージで車を管理していて盗まれたということですから、あなたには保管上の過失はないと考えられ「運行供与者」には該当しないと思われますが、泥棒に車を盗まれた上に、自動車賠償責任を負わされるなんてことのないように、自動車の管理には十分気をつけましょう。


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