注意障害

1 症状の内容

注意障害は、高次脳機能障害において、多くみられる障害です。そして、注意障害は大きく分けると5つに分類されます。

①持続的注意の障害

持続的注意とは、注意力や集中力を持続させて、一つの行動を続けることをいいます。持続的注意の障害があると、まとまった時間仕事をする、本を一章読むなどの一定の行動をとることが困難になります。

②選択的注意の障害

たくさんある情報の中から余計な情報に気が散らずに、今必要な情報だけを選ぶことをいいます。

例えば、新聞のテレビ欄から番組を見つける、人混みから友人を見つけるなどのことをいいます。

選択的注意の障害があると、あちこちに気が散って集中できず、見落としや聞き落としが増えることになります。

③同時処理の障害

同時処理(注意の分配)とは、いくつかのことに同時に注意を向けながら、行動することをいいます。

例えば、助手席の人と話をしながら車を運転する、3人以上で会話をする場合などです。

④注意の転換の障害

注意の転換とは、1つの情報に注意が向けられているとき、より重要な他の情報に気づいて注意を切り替えることをいいます。

例えば、パソコンの作業をしていて、電話が鳴ったので電話に出るという場合です。

注意の転換に障害があると、電話が鳴っていることに気づかなかったり、電話をとるとずっとそっちの方に意識が残り、パソコン作業に戻れなくなってしまうなどの症状が発生します。

⑤注意の容量の障害

注意の容量とは、文字通り、キャパシティの問題です。

注意の容量に障害があると、一度に処理できる情報の量が少なくなってしまいます。

2 症状例

・昨日教えたはずの単純な仕事が今日になるとすっかりやり方を忘れている。

・電話にでたものの、要件の中身をすべて覚えておくことができず、誰からかかってきた電話かも忘れてしまう。

・2つのことが同時にできない。

・やかんを火にかけて、テレビを見ていたら、やかんのことをすっかり忘れて水がなくなり、やかんの取っ手が溶けてしまった。

・午前中にがんばりすぎて、午後は疲れが出て何もできなくなってしまう。

・2つ以上指示されると、覚えられない、あるいはパニックになってしまう。

・朝、家族とけんかしたままの気持ちをひきずって、気持ちの切り替えができない。

・仕事を速くやるとミスばかりで、できあがった書類が使い物にならない、正確にやるように指示すると今度はいつまでたってもできあがらない。

3 家族の対応方法

目の前の事に集中できる環境を作る。例えば食事の際は、テレビやラジオはつけない。人の少ない静かな場所で食事をさせる。むやみに話しかけない。半側空間無視を伴う場合は、食器を見えやすいところに置く。 注意すべき事項がよく認識されない場合は、「メモ」を作成して、事前にどんなことに注意をすればいいのか、本人にわかりやすくする。

4 必要な検査

ウイスコンシン・カード・ソーティング・テスト(WCST)

持続的注意集中検査(CPT)

トレイル・メイキングテスト

標準注意検査法CAT(持続的注意集中検査CPT、聴覚性検出課題、SDMT、PASAT)

など


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