醜状障害の等級の改正経緯について

外貌醜状について、自賠責保険における等級認定表は、平成23年に改正されています。

改正前は、障害が同じ程度であっても男性は女性より低く扱われていました。

しかし、京都地裁平成22年5月27日判決において、外貌の著しい醜状障害の等級について男女間で大きな差が設けられていることは合理的理由なく性別による差別的取扱いをするものとして憲法14条1項に違反するとされたのを受け、改正されることになりました。

自賠責との関係においては、平成22年6月10日以後に発生した事故については、遡及して適用されます。

改正の主な内容は、障害等級の男女差の解消と、障害等級(第9級)の新設です。

従前男女別とされていた障害等級について、男性の等級を女性の等級に引き上げられる形で改正され、障害の程度に応じ男女とも同一の等級として評価されるようになりました。

京都地裁平成22年5月27日判決

国勢調査の結果は、外ぼうの醜状障害が第三者に対して与える嫌悪感、障害を負った本人が受ける精神的苦痛、これらによる就労機会の制約、ひいてはそれに基づく損失てん補の必要性について、男性に比べ女性の方が大きいという事実的・実質的な差異につき、顕著ではないものの根拠になり得るといえるものである。また、外ぼうの醜状障害により受ける影響について男女間に事実的・実質的な差異があるという社会通念があるといえなくはない。そうすると、本件差別的取扱いについて、その策定理由に根拠がないとはいえない。

しかし、本件差別的取扱いの程度は、男女の性別によって著しい外ぼうの醜状障害について5級の差があり、給付については、女性であれば1年につき給付基礎日額の131日分の障害補償年金が支給されるのに対し、男性では給付基礎日額の156日分の障害補償一時金しか支給されないという差がある。これに関連して、障害等級表では、年齢、職種、利き腕、知識、経験等の職業能力的条件について、障害の程度を決定する要素となっていないところ(認定基準。乙3)、性別というものが上記の職業能力的条件と質的に大きく異なるものとはいい難く、現に、外ぼうの点以外では、両側の睾丸を失ったもの(第7級の13)以外には性別による差が定められていない。そうすると、著しい外ぼうの醜状障害についてだけ、男女の性別によって上記のように大きな差が設けられていることの不合理さは著しいものというほかない。また、そもそも統計的数値に基づく就労実態の差異のみで男女の差別的取扱いの合理性を十分に説明しきれるか自体根拠が弱いところであるうえ、前記社会通念の根拠も必ずしも明確ではないものである。その他、本件全証拠や弁論の全趣旨を省みても、上記の大きな差をいささかでも合理的に説明できる根拠は見当たらず、結局、本件差別的取扱いの程度については、上記策定理由との関連で著しく不合理なものであるといわざるを得ない。

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